事業承継 → 中小企業の抱える問題 → 「 企業の規模ごとに、それぞれに応じたマネジメントの構造が必要である 」ドラッカー

 ドラッカーは「 企業の規模ごとに、それぞれに応じたマネジメントの構造が必要である 」といいます。そして「 それぞれの規模に、それぞれの問題や弱みがある 」といっています。

 「 小企業や中企業に共通する問題は、規模が小さすぎるために必要なマネジメントをもつことができないことである 」ともいっています。
 「 それらの企業のトップマネジメントは、大企業や巨大企業のそれに比べて、多芸であることが求められ 」ます。しかも、さらに「 大企業のそれと同じように有能であることを求められ 」ます。

 そのうえ中小企業のトップたちは、「 大企業のトップマネジメントのように、高度の能力をもつ専門職や機能別部門の専門家からの支援を得ることができ 」ません。

 「 とくに中企業は、 一流の経営管理者が魅力を感じるには小さすぎ 」ます。「 一流の人に対し、大企業の低い地位ほどの報酬さえ払え 」ません。かといって、「 質量ともに必要なだけの経営管理者を自ら育成することは容易では 」ありません。

 そして何にもまして、「 大企業と異なり、経営管理者の地位にある者に対して、十分な挑戦の機会や仕事の大きさを与え 」ることができません。

 したがって「 中企業に固有の問題は、経営管理者に対する要求と、経営管理者の能力との間のギャップであ 」ります。「 それはほとんどの場合、中企業であるかぎり埋めることの難しいギャップである 」とドラッカーはいっています。


(P.F.ドラッカー「現代の経営」下巻 ダイヤモンド社刊より)


  関連→http://d.hatena.ne.jp/sakagami-k/20101002/1285977907