経営 「新しいもののために新しく人を雇うことは危険である」ドラッカーより

「古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法であ」とドラッカーはいいました。

ところが、

 「新しいもののために新しく人を雇うことは危険である」ともいっています。

 「すでに確立され、順調に運営されている活動を拡張するに」はじめて、新しく人を雇い入れることができる」のです。

  ということは、「新しいものは、実績のある人、ベテランによって始められなければならない」ともいっています。

 「新しい仕事というものは、どこかで誰かがすでに行っていることであっても、すべて」こちらにとっては、「賭けで」あります。

 したがって、「経験のある人ならば、門外漢を雇って新しい仕事を担当させるなどという、賭けを倍にするまねはし」てはいけないのです。

 おなじことは、「よそで働いていたときには天才に見えた人が、自分のところで働き始めて、半年もたたないうちに失敗してしまうという苦い経験を何度も味わっている」ことは、よく聞きます。

「新しいものにやさしいものは」ありません。「新しいものは、必ず問題にぶつか」ります。

 したがって、「悪天候に入ったときに切り抜ける手だてを最初から講じておかなければ、失敗は必然であ」ります。

 そして、「新しいものを難局から救う唯一の手だてが、仕事のできる人を用意しておくことであ」りあります。「そのような人は、常に忙しい」のです。「今の負担を軽くしてやらなければ、新しい仕事を引き受けてはもらえ」ません。


 ドラッカー先生の知るかぎり、「アイデアが不足している組織は」ないといいます。

 「創造力が問題では」ないのです。そうではなく「せっかくのよいアイデアを実現すべく仕事をしている組織が少ないことが問題である」のです。

 「みなが、昨日の仕事に忙しすぎる」のです。

(プロフェショナルの条件P.F.ドラッカーダイヤモンド社刊 より)
(経営者の条件 P.F.ドラッカーダイヤモンド社刊 より)

http://d.hatena.ne.jp/sakagami-k/20110411/1302474409