『 一対一対応の原則 』は必ず守らなければならない。 「 稲盛和夫の実学−経営と会計 」より

稲盛氏は、「…、『 一対一対応の原則 』は必ず守らなければならない。そのためには、モノが入ったときに必ず仕入れの伝票処理ができるよう、モノが入荷した際に仕入伝票を起こして京セラに対する買掛金を計上すること 」いっています。

  その後、「 船積書類 」が届いたときに、仕入伝票とそれを突き合わせて、買掛金を支払債務として振り替えること。この二点を、経理に指示した。

 「 個々の取引の処理は忠実にできているように見えても、売上と仕入れが一対一の対応になっていないために、この例のように利益が売上実績に結びつかない変動を毎月繰り返している場合がある」ということです。いくら経理が一生懸命やっていても、一対一の対応で正しく処理されていない月次決算をつくっていては、間違った数字にもとづいて経営判断をしていることになり、会社の舵取りを誤る恐れがある。」といっています。

 そして、稲盛氏は「 顧客を満足させることと経理処理を正確に行うことはまったく別であり、両方とも徹底しなければならないと考えていた 」そうです。
「 稲盛和夫実学−経営と会計 日本経済新聞社刊 」