松下幸之助と事業部制 1 事業部が「 借金をする場合には、本社が貸すことになる。」

 「 …………最近(1962年の講演時:ブログ者記)はだんだん会社が大きくなってまいりましたから、一つの事業部でも数億の資金が要るわけです。事業部によっては、もっと大きな資本が要ります。したがって、資本というものを限定せねばいかんわけで」んな。 

 「そのため事業部に対しては資本金というものを決めたわけです。一つの独立した会社は資本金は決まってますからね。そういうように資本金を決めたわけです。だから、その資本金をオーバーするような経営ということは、早くいえば、借金になるわけです。」

 「 それはむろん、事業である以上は、銀行で借りたりする場合がありますから、借金してもよろしい。しかし事業部が直接銀行で借金することは認めてないんです。」

 「 借金をする場合には、本社が貸すことになる。本社がつまりそこへ金を貸すわけです。むろんその場合は、やはり銀行と同じように金利を取る。そういうようにして、まったくの独立経営体にしているわけです。」