「限界効用逓減の法則」と士業の仕事

 士業の仕事には様々な内容があります。特に特別な依頼業務で企業社内でできないこと、外部に頼んだが成果が出ないことなど、依頼を受ける理由も様々ですし、その内容も多岐に渡ります。

 初期には、少人数で短期間の仕事である場合に、仕事が発展しスタッフの人数も規模も大きくなってしまうことはよくあることでしょう。そのような仕事になっていく場合に常に考えることは、経済学で言う「限界効用逓減の法則」は士業の仕事にも機能するのだろうかという問いです。

 小さいプロジェクトで非常にご満足をいただいたことも、長期化し、規模が大きくなっていった場合に不満が発生することは、クライアントの心理としても「限界効用逓減の法則」、つまり”ものを消費するとき、最初は満足度(つまり効用)が高く、消費量が大きくなるにつれ追加的に得られる満足度(つまり限界効用)は少なくなっていく”という状態が発生しているのではと感じることがあります。

 従って、仕事が大きくなるということは、それまで以上に費用対効果を考えると、益々成果を増大させていく必要があるといえると思います。逆の見方をすると、士業の業務の特質からすると、プロジェクトとして請負う規模を大きくしない、長期化しないことが本来の付加価値を認識していただくための条件ではないかとも考えます。