キャッシュフロー経営   短期的対応は、資産を圧縮し、経費削減すること

 多くの中小企業が想像を絶する厳しい不況に見舞われ、売上高が前期より何割も減少しました。

 しかし、その中でも経常利益は黒字を確保している企業があります。大幅な減収になったにもかかわらず、売上高経常利益率はある程度確保している企業があります。(SHOEI会長 山田勝 日経トップリーダー10.3 p82以下「カギ括弧」)

 「無借金経営の大きなメリットは、苦しくても目先の対策だけに追われずに済むことです。今回の危機に際しては、手元キャッシュに余裕がありました。このおかげで、短期的な対策だけにとらわれず、中長期を見据えた経営判断ができました。」(山田勝氏以下同じ)

 資産を圧縮し、経費削減 短期的対応は教科書通り

 「短期的な不況対策としては、経費削減、在庫や売掛金の圧縮に取り組んでいます。奇手奇策はありません。経営の基本を忠実に実行しました。」

 「バランスシート圧縮の重要性」を述べられています
「少ない資産を効率的に使い、より多くの付加価値を生み出すことが経営の本道」との考えに基づいているようです。

 総資産は、減少させているようです。ところが、同社は「自己資本比率は72・4%から79・6%へと高まってい」ようです。

 多くの企業では、売上高が減っても総資産が減りません。その原因として主に考えられるのは、「在庫が増えすぎた」「売掛金が回収できていない」といった事態です。どちらの場合も資金繰りが厳しくなり、借金が増える恐れがあります。

 「しかし、それではいけません。売上高が減ったら在庫も売掛金もすぐに減る。そうした伸縮性が大事です。」と述べられています。