私とドラッカーの書籍を通じての出会い

 私がドラッカーの名前を知ったのは大学経済学部3年生の時であった。3年といえば、そろそろ就職活動の準備が始まるときです。大学仲間は、今でいうところの就活組は、就職の面接時に「 ドラッカーの”断絶の時代” 」と「  ガルブレイスの”新しい産業国家”  」ぐらいは、必読書だから読んでおけよと教授からいわていた。
 その後、会計事務所の勤務時代の30才台の前半ころ、仕事先の某中堅企業の社員がドラッカーの「 マネジメント 」の要約版(300頁くらい)を読んでいるということを聴いて大いに発憤して自分も読み始めた。そのころは、あまり実務には役立たないと思った。
 ドラッカーがいっていることが時代より先に進みすぎて、そのときの一般的常識ではついていけなかったような気がする。いきなり「 利益は未来の費用である 」なんて言われても、すぐには、理解できなかった。とにかく私にとって消化しきれないのがドラッカーでした。
 その後、20年前のバブル経済の崩壊後、じっくり読もうとドラッカー畢竟の大作といわれる「 マネジメント 」1,400頁を読んでいった。3回くらい読んでいくと実務で企業人とつきあう環境の中で、ドラッカー本の邦訳がしっかりしている性なのか、結構平易で読みやすく感じるようになってきた。また、内容もスーッと頭に入っていった様な気が当時していました。
 「 やっと時代がドラッカーに追いついてきたのかな 」と思うと、感慨深いものがありました。