経営計画  「 利益率は業績の波をならした平均としてとらえる必要がある 」ドラッカーより

 「 税引き前25パーセント(*1)の利益を目標にしているとして、業績のよい年に25パーセントの利益しかあげられないのでは、資金が使用される全期間にわたって25パーセントの利益をあげることはでき 」ません。

以下 *印は、筆者です。

 (*1)この利益率は、「 総資本経常利益率 」なのか「 自己資本経常利益率 」なのかわかりませんが、日本の平均で捉えますとドラッカーのいう利益率は「 自己資本経常利益率 」を指しているものと私(筆者)は、考えています。

 自己資本経常利益率で示されないと今日の日本企業では高すぎます。
 
      ● 自己資本経常利益率 = 経常利益 / 自己資本 ×100
 「 12年間の平均を25パーセントにするためには、業績のよい年には、40パーセントの利益が必要かもしれ」ません。したがって、必要とする平均利益率を得るには、現実にどれだけの利益をあげることが必要かを知らなければな 」りません。

 「 そのための手法は、今日では利用可能であ 」ります。「 それは損益分岐点分析(*2)である 」のです。「 売り上げと価格の変化を分析に含めるならば、景気との関係において、かなり正確に必要とする利益率を予想でき 」ます。

(*2) ● 損益分岐点比率=(営業経費+支払利息)/売上総利益×100         ……「小企業の経営指標」日本政策金融公庫総合研究所より
     
      ● 損益分岐点売上高= 固定費/限界利益……窪田千貫氏より

      ● 損益分岐点売上高= 固定費 ÷(1−(変動費÷純売上高)) ……体系経営分析 國弘員人著ダイヤモンド社刊&TKC経営指標解説          より

 「 単純で小さな事業の場合には、この必要最小限の利益という考え方で十分であ

る。 」とドラッカーはいっています。

  (P.F.ドラッカー「現代の経営」下巻 ダイヤモンド社刊より)