「行きづまったときに」、「こちらの意気ごみを見せる」 「 銀行から金を借りたことを覚えています。 」「この人はたいへん進歩したな」松下幸之助

 「 銀行でも、今ごろ(50年前:筆者)は、何でも救済ということが普及してきましたから、だいぶやりやすくなってい」ます。

 銀行は、松下の会社に「 なかなか金を貸しませんでした。」

 「 何か事があったときにはなおさら貸しません。しかし、私(松下幸之助)は行きづまったときに銀行から金を借りたことを覚えています。」

 「 こちらの意気ごみですな。『 こういう大失敗したから、金貸してんか 』と言うたなら、『 そんな大失敗した会社に金貸すのはかなわん 』となります。」

 「 これは常識です。しかし大失敗したときに、こういう一つの真理をつかんだ、真理というとえらいたいそうですが、一つの行き方をつかんだと、諄諄とその話をしていくと、”この人はたいへん進歩したな。"」

 「 今までは気がつかなかったことを、気のついた人になったな。」

 「 これなら金を貸してもいいだろう”こう考えて貸してくれるだろうと思います。”」

 「 そういうものをもたずして、多少でも人を使い、成功しようということは虫がいい話やと思うのです。」

松下幸之助発言集1960年11月20日「中小企業懇談会 於大阪商工会議所」第1巻PHPより)