適切な管理を行うには、「 目標に対する力点のおき方をバランスのとれたものにしておかなければならない。 」ドラッカー

 (そのようにしておけば、)あまりにもよく見受けられる悪習、つまり「危機」と「駆り立て」による「管理が回避される」とドラッカーはいいます。

 「 駆り立て 」が終わるや、「 3週間もすると、もとのもくあみに戻ってしまうのが常なのは、だれにもわかっていることであ 」ります。また、そのように「 だれもが心中ひそかに期待しているのは明白であ 」るのです。「 節約運動 」にしても、その結果は、使い走りや、タイピストが首を切られ、そのかわりに「 高給役員が 」、〔 タイピスト 〕の仕事をして、「 自分で手紙をタイプする羽目に陥るだけと思われ 」ます。しかも、その「 タイプの仕上りはまずいときているにもかかわらず、多くの経営陣は、駆り立て式では、結局のところ何も達成できないという明白な結論をいまだに引き出せずにいる 」というのです。
 
「 取り立て式管理は効果がないだけでなく、間違った方向へ導いてしまうのである。駆り立て式管理では、一つの側面だけが強調されるあまり、他の一切の側面が犠牲にされてしまうからであ 」ります。