「 特別償却 」を、実務における「 企業会計 」は、どう位置づけているのでしょうか。

 平成25度税制改正では、いわゆるグリーン投資減税について、対象設備の拡充と期限の延長などが行われています
 
 例えば”初年度””即時償却"の対象に省エネ(コージェネレーション)設備がくわえられた他、これまで高断熱窓設備等と同時設備が求められていたLED照明は、単独で30%「 特別償却 」の対象となります。

 ところで、この「 特別償却 」制度は、資産の早期償却を認めることで、投資活動を促進させるために設けられました。( 税務通信3258参照 )
  
 では、この政策的減税項目のひとつである「 特別償却 」を、実務における「 企業会計 」は、どう位置づけているのでしょうか。
※1 政策的減税項目である「 特別償却 」vs会計要領、指針の「 正規の償却 」

→「(即時償却を含めて)特別償却」は、会計要領、指針の「 正規の償却 」に該当するのか?


※2 政策的減税項目である「 特別償却 」vs会社法会計の「 相当の償却 」

→「(即時償却を含めて)特別償却」は、会社法会計の「 相当の償却 」に該当するのか?


  実務では、企業会計においては、「 正規の減価償却 」(=会社法会計の「 相当の償却 」に該当しないものと結論付けされているようです。( 日本公認会計士協会 )

 したがって、会社法会計、会計要領、会計指針、会計参与の対象となる会社の会計処理においては、減価償却費として費用処理( 税務上:損金算入 )できないということになります。

 しかし、決算において損金経理できなければせっかくの税務上の恩典が享受できません。
 このため、租税特別措置法では、「 特別償却 」の適用代え、「 剰余金の処分による方法 」の適用を認めています。

 すなわち、その事業年度の決算の確定の日までに、特別償却限度額以下の金額を、剰余金の処分により特別償却準備金として貸借対照表の純資産の部に積み立てた場合には、

→( 繰越利益剰余金×××× / 特別償却準備金×××× )、その金額を損金算入でるようにされています( 措法52の3① )。

 なお、「 剰余金の処分による方法 」を適用した場合には、特別償却費が損益計算書に計上されません。

 このため、適用を受ける事業年度の申告書別表4において所得金額から減算する必要があります。 ( 税務通信3258参照 )