GMがドラッカーを拒否したワケ

  さて、20世紀最高の経営の神様といわれるドラッカーGMを内部から2年かけて調査し、その結果をまとめ、1983年に出版された同書改訂版『企業とは何か』(ダイヤモンド社)は、GMからは“禁書”扱いになってしまった。
  同書の最終章「成功を原因とする失敗」の中で、ドラッカー自身はその理由を以下のように分析している。

 GMの教訓
 「今日の自動車産業は、本書執筆時とは様変わりして危機にある。その危機はエネルギー危機によって加速している。すでに20年間にわたり、西側先進国における自動車需要はGNP(国民総生産)の伸びを下回った。70年代後半には、日本でさえ需要の伸びが止まった。自動車産業は衰退はしていないものの成熟化した。」
 
  『企業とは何か』1946年 1983年版まえがき p.298