確定申告チェックポイント 上場株式等の配当所得に係る申告分離課税制度と上場株式等の譲渡損失との損益通算

[平成22年4月1日現在法令等]

1 概要
 平成21年1月1日以後に支払を受けるべき上場株式等の配当等については、総合課税のほかに、申告分離課税を選択することができます。

 なお、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択する必要があります。

 また、申告分離課税の税率は、平成21年1月1日から平成23年12月31日までの間の上場株式等の配当等については、7%(他に地方税3%)の税率が適用されます。

2 配当控除の適用

 申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得については、配当控除の適用はありません。

3 上場株式等に係る譲渡損失がある場合

 平成21年以後の年分において、上場株式等に係る譲渡損失の金額がある場合又はその年の前年以前3年内のに生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額のうち、前年以前で控除されていないものがある場合には、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得の金額から控除することができます(上場株式等の配当所得金額を限度とします。)。


※1 確定申告をする

●配当控除

→総合課税→有り

申告分離課税→なし

●上場株式等の譲渡損失との損益通算

→総合課税→なし

申告分離課税→あり

●扶養控除等の判定

→総合課税→合計所得金額に含まれる

申告分離課税→合計所得金額に含まれる ↓

→なお、上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税をする配当所得との損益通算している場合にはその適用後の金額、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額になります。

※2 確定申告不要制度

●税率は同じ

●配当控除→なし

●上場株式等の譲渡損失との損益通算→なし

●扶養控除等の判定→合計所得金額に含まれません


ご注意

○確定申告後に申告方法を変更できません。

申告分離課税によって確定申告書を提出した場合には、申告後に更正の請求や修正申告においても、申告方法を変更することができません。

申告分離課税を適用しなかった場合も変更できません。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1474.htm