今こそ求められる「経営のための会計学」→「経営者は、自社の経営の実態を正確に把握したうえで、的確な経営判断を下さなくてはならない。」稲盛和夫氏より

そのためには、

→「 会計原則、会計処理にも精通していることが前提とな 」ります。

・中小、零細企業の経営者の中には、「 税理士や会計士に毎日の伝票を渡せば、必要な財務諸表はつくってもらえるのだから会計は知らなくてもいい、と思っている者もいる 」みたいです。

・経営者にとって必要なのは、「 結果として『 いくら利益がでたか 』、『 いくら税金を払わなければならないのか 』ということであり、「 会計の処理方法は専門家がわかっていればいいと思っているのであ 」るというのです。さらに、「 会計の数字は自分の都合のいいように操作できる、と考えている経営者さえいる 」といっています。

・氏は「 経営を学んでいく過程で、会計は『現代経営の中枢』をなすものであると考えるようになった」といわれ、「企業を長期的に発展させるためには、企業活動の実態が正確に把握されなければならないことに気づいた 」そうです。

・真剣に経営に取り組もうとするなら、「 経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない経営の実態をあらわす唯一の真実を示すものでなければな 」りません。

・「 損益計算書貸借対照表のすべての科目とその細目の数字も、誰から見ても、ひとつの間違いもない完壁なもの、会社の実態を100パーセント正しくあらわすものでなければならない 」のです。

・このような考え方にもとづき、稲盛氏は「 経理部に経営資料を作成してもらい、その数字をもとに経営してきた 」といっています。

・「 今振り返ってみると京セラ創業時、会計というものをまったく知らなかったため、それを自分で学び、『「人間として正しいことを追求していく』という稲盛氏「 自身の経営哲学をベースに『 会計の原則 』を確立できたことが、その要因であると思える 」と語っています。

(「稲盛和夫実学−経営と会計」 日本経済新聞社刊より)