「 ダム式経営 」 「 余裕のある経営が必要だ 」 「心の底からそうしたい」

 稲盛氏が、「 京セラを創業して間もないころ、松下幸之助氏の講演を聞く機会があ 」った。

 「 その講演のテーマは『 ダム式経営 』というものであ 」った。
 「 幸之助氏は会社を経営する際、ダムをつくることで川がいつも一定の水量で流れているように、『 ダムの蓄え 』を持って事業を進めていかなければならない 」と説かれた。
 「 話のあとの質疑応答の際に、聴衆の一人が、どうやったらそのような余裕のある経営ができるのでしょうか? 」と尋ねた。
 「 幸之助氏は、『 その答えは自分も知りません。しかし、そのような余裕のある経営が必要だと思わな、あきませんな 』と答えた。」

 聴衆の多くは、この答えに笑ったが、稲盛氏は「 この言葉に深く心を動かされた 」といっています。

 「 何かを成そうとするときは、まず心の底からそうしたいと思い込まなければな 」りません。

 「 わかってはいるけれど、現実にはそんなことは不可能だ 」と「 少しでも思ってしまったら、どんなことも実現することはでき 」ません。「 どうしてもこうでなければならない、こうしたいという、強い意志が経営者には必要なので」しょう。