企業は、「 内部留保を厚く 」「 自己資本比率を高く 」 稲盛氏

 企業は、まず「 銀行からお金を借りて経営する。利益を出して税金や配当金を支払うよりも、借金して金利を支払った方が節税にもなり、メリットが大きいという考え方 」が一方では、あります。
   
 ところが、「 借入による資金の調達は、市場における金利や資金需給の動向、政府や金融機関の政策や方針といったものに直接の影響を受けます。新しい事業や生産設備の拡大のための投資が、このような事情によって、タイミングを失いかね 」ません。また、「資金を貸してくれる銀行の意向を気にするあまり、まったく新しい事業を行うための投資は、実施しにくいものとなるかもしれ 」ません。

 だから、「 経営者は必要に応じ使えるお金、すなわち自己資金を十分に持てるようにしなければならないのであ 」ります。そのためには、「 内部留保を厚くする以外に方法は 」ありません。すなわち、企業の安定度を測る指標である自己資本比率を高くしなければならないので 」す。