被災企業の会計処理  操業休止期間中の固定費について

費用は変動費と固定費に分けられます。

→[費用]→[変動費→売上高や操業度に連動して増減する費用(材料費、外注加工費など)]
→「固定費→売上高や操業度の変動に関係なく発生する費用「(人件費、減価償却費など)]

 被災した工場が操業を休止しても、減価償却費や人件費などの「固定費」は操業に関係なく発生します。

 これらを原価に含めると特殊要因でコストが上昇し、適正な原価計算ができなくなります。そこで、操業休止期間中の固定費を原価に含めず、特別損失とする会計処理が認められます。

  計画停電による操業休止も対象になります。
 オリエンタルランド東京ディズニーランドなどの営業を一時休止。
 その間の固定費(人件費や減価償却費)を雑損計上しました。操業原価に含めず休止期間中の固定費を特損失に計上する処理は1995年の阪神大震災の際にも行われました。
 
 例えば、神戸製鋼所労務費や減価償却費など152億円を「原価外固定費」として特別損失に計上したとあります。(最近の日本経済新聞朝刊より)

税務上も原価外処理を認めています。

→【修繕費用の原価外処理】

[Q12] 法人が、災害により被害を受けた製造設備に係る修繕費用や被災したことによる操業休止中に支払った人件費については、原価外処理(費用処理)が認められるのでしょうか。

[A]災害により被害を受けた製造設備に係る修繕費用や、被災したことによる操業休止中に支払った人件費などについて、適正な原価計算に基づいて原価外処理(費用処理)しているときは、税務上もその原価外処理が認められます。

「災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ」(平成23年4月国税庁

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/pdf/hojin_shohi_gensenshotokuFAQ.pdf